わたしはいまどこでなにをしているかがよくわかっていない。周囲は霧に覆われていて見通しが立たない。それでもなにかしなければならないという切迫感ばかりがふくらんでいる。どちらに進めばいいのか。いや、そもそもどこというよりなにをしたいのかすら、わたしはわかっていない。一歩を踏み出すもなにもないのだ。わたしはその場に立ちすくんでいる。おなかが空き、ねむたくなってくる。なにもしないでいるだけでも、わたしは消耗してゆく。どこか、なにか、わたし、わたし、わたし、そればかりがふくらんでゆく。