フリースタイルなバトルを申し込まれる。相手の顔はマスキングされている。ネットワークを探索しても個人情報が見つからない。対決の日は無常にも迫りつつある。わたしは策もなにもなくその日を迎える。会場に向かうと、全身がフィルタリングされた対戦相手のxWdi29dfhl9xxde@さんがいた。「よろしくお願いいたします」相手は礼儀正しくお辞儀をする。わたしも頭を下げる。二人(人なんだろうか?)して舞台に上がる。対戦相手(名前が音読しづらいのでこう表記)が、ラップでわたしの私生活を攻撃する。わたしは太古の昔より有用なままであり続けてきた暴力で返礼する。対戦相手は暴力的なわたしを面罵する。わたしはさらなる暴力で返事をする。どこまでもエスカレートしてゆく。わたしは対戦相手を戦車で挽きつぶしつつ、終わったあとは笑顔で握手できるのか、打ち上げの会場をどこにしようか考え続ける。