近所のマンションで清掃工事が進んでいる。圧力をかけた水を噴射して、壁に付着した汚れを削り取る。圧力が強すぎたのか、壁の塗料まで削り取ってしまう。そこには骨らしきものが。腕の骨が壁から飛び出す。なにかをもとめるように骨だけの指が開かれる。清掃業者は骨をハンマーで砕き、壁に押しこめ、塗料を塗り重ねる。それからわたしに視線を合わせ、なにか合意を求めるかのようにうなずく。ついわたしもうなずき返してしまう。清掃工事は滞りなく進んでゆく。