散歩コースの森を歩いていると、人型の機械が歩行をしている。機械の身体中に鳥が止まり、身体を休めている。なんとなく立ち止まって、見つめてしまう。鳥は鳴き声でなんらかの通信を行っている。機械の頭部は全面ディスプレイになっており、文字列が高速でスクロールしている。機械もまたなんらかの通信を行っているのか。そんなことを考えつつ、散歩を続ける。機械のボディに鳥が糞をする。糞の中に含まれた種が機械の関節部分に転がり込む。すぐに機械の身体中から枝が伸び、葉が茂り、木になってゆく。樹皮はすべてディスプレイになっており、複雑な森の気候演算を行っている。秒速3センチメートルで伸びてゆく枝に、鳥たちはちょこちょこ歩いて移動してゆく。